当院では日帰り白内障手術を行っております。

白内障は、眼の中のレンズの役割をする水晶体が濁る病気です。

水晶体が濁ることにより、視力が低下します。濁り方はひとりひとり違うため、症状も様々です。「目がかすむ」といったものが主な症状ですが、以下のような症状があれば白内障の疑いがあります。

白内障の症状

  • かすんで見える。
  • 光がまぶしく感じる。
  • 一時的に近くが見やすくなる。
  • ものが二重、三重に見える。

白内障の原因

最も多いのは加齢によるもの(加齢性白内障)で、個人差はありますが、年齢を重ねるにつれどなたでも水晶体は濁ってきます。

その他、放射線、紫外線、糖尿病・アトピーなどの全身病 、薬の副作用(ステロイド剤など)、ぶどう膜炎など他の眼疾患、先天性(風疹など)が挙げられます。

手術を考えるタイミング

日常生活に支障がない程度であれば、点眼薬で白内障の進行を遅らせます。ただし、症状を改善したり、視力を回復させることはできません。

日常生活で不自由を感じるようになれば、手術の適応になります。

  • 視力が低下して、仕事に支障が出る。
  • 光が極端にまぶしく、見にくい。
  • 矯正視力が0.7に満たず、運転免許の更新ができない。
正常な目

白内障の目

白内障を正しく理解し、適正な治療を受け、より充実したライフスタイルを送りましょう。 わからないこと、不安に感じておられていることがございましたら、いつでも気軽にお尋ねください。

白内障の手術

当院では、日帰り白内障手術を行っております。
眼の手術と聞くと怖いイメージがありますが、白内障手術の技術は進歩し、質の良い眼内レンズも開発されていますので、安心して手術を受けてください。

白内障手術の流れ

1. 術前検査

白内障手術を受ける前には、下記様々な検査を行います。

重篤な合併症のある方、通院が困難な方は、入院設備のある施設に紹介させていただきます。

  • 問診・視力検査(患者さんの実際の見え方)
  • 屈折検査(現在の視力測定)
  • 眼圧検査(白内障以外の病気がないかどうか)
  • 細隙灯顕微鏡検査(白内障の進行度合い)
  • 眼底検査(白内障以外の病気がないかどうか)
  • 角膜内皮細胞検査(手術後の視力への影響)
  • 眼軸長測定・角膜曲率半径(使用する眼内レンズの度数決定)
  • 血圧・血液検査など

2. 手術当日

手術開始時間の1時間前に来院していただきます。
安全の為にもなるべく、おひとりではなく付き添いの方とご一緒に来院していただくほうが望ましいです。
体調に問題がなければ、手術のための散瞳薬を点眼します。

[手術開始] (10~20分)

白内障により濁った水晶体を超音波で砕いて吸い出し、代わりに人工のレンズを眼内に挿入します。

点眼麻酔後、角結膜を数ミリ切開し、水晶体前嚢を円形に切り取ります。

濁った水晶体を超音波で砕き、取り除きます。

空になった水晶体嚢の中に眼内レンズを挿入します。

手術終了後はしばらく安静にし、手術後の注意事項などの説明を受け帰宅できます。来院からお帰りまで2時間程度かかります。

手術当日の注意

  • 手術直後は眼球保護のため眼帯を装着します。
  • 眼をこすったり直接さわったりしないように注意してください。
  • 手術後は、普段通りに飲食を行って大丈夫です。
  • お風呂は、手術当日は入れません。
  • その後も入浴、洗髪、洗顔等制限がありますので下の表を参考にして下さい。

術後安静度表

手術当日1日目2日目6日目7日目術後2週間術後1カ月
眼帯眼帯保護メガネなし
洗顔×タオルでふく程度
洗髪×仰向けなら可
(美容院などで)
入浴×首から下のみ可
散髪・パーマ・毛染め××××
点眼・内服医師の指示通りに
アルコール××××控えめに
読書・テレビ疲れない程度に
事務仕事×
肉体労働・スポーツ・旅行×××××

3. 手術翌日の診察、定期検診

翌日の来院時に眼帯を外し、検査・診察を受けていただきます。
その後も定期的な検診が必要です。
術後は数か月、感染予防の目薬を使用していただきます。

眼内レンズの種類

眼内レンズは人の水晶体と違い、ピントを調整する機能はありません

単焦点眼内レンズ(保険適用)

ピントが合う距離が1つなので、生活スタイルに合わせて、手元から遠くまでのどこか1点でピントの位置を選び、それ以外の距離を見るためには眼鏡が必要になります。

多焦点眼内レンズ(自費診療)

ピントが合う距離が複数あるので、眼鏡に依存する頻度をかなり減らすことができます。眼鏡のかけはずしの煩わしさを解消することが可能です。
ただし、単焦点レンズのピントを合わせた距離の見え方と比較すると、やや見え方の質が低下します。